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日没する国のエラーコラム

【 第百十一回 ~ 第百二十回】

 筆者は、全国大規模古墳、各国風土記、記紀の地名由来譚を縄文語(アイヌ語)解釈してきました。この作業は、上代日本語と縄文語の境界線がどこにあるのかを探る目的で始めたのですが、その作業がいよいよ中国大陸にまで及ぶことになってしまいました。
 以前に「上海=シアン・ハー・イ=広大な・水の引いた・ところ」や「青島=チン・タオ=崖の・水際の高台」など、いくつかの中国の地名が縄文語で辻褄の合う解釈ができたので、もしかすると、東夷の人々の言語は縄文語だったのではないかとの疑いを持っていました。この仮説を確かなものとするために、筆者は、漢代の地方制度で設定された県名(上古音)の縄文語解釈を始めました。

 まずは、中国大陸の海岸線を解釈してみます。案の定、ほとんどの県名が地勢と辻褄の合う解釈が可能でした。それから中国南部。これも、同じ結果となりました。ということは、東夷、南蛮は、倭人と近しい民族だった可能性が高くなります。
 さらに縄文語の使用地域を確定すべく、解釈のエリアを広げていきます。
 結果、北京市周辺、洛陽周辺に至るまで、一部殷墟周辺を除き、華北平原、長江平原全域に渡って確度の高い解釈が可能で、西戎、北狄にあたる地域にも妥当な解釈をいくつか発見することができました。残念ながら、西戎、北狄はサンプル数が少ないので断定はできませんが、それでも想像以上に広範囲に渡って縄文語が使用されていた形跡があります。

 数年前、雲南地方の少数民族であるイ族が日本語の一部を理解できるとの記事が中国の百度(ポータルサイト)に掲載されたことがありますが、それも、縄文語由来の単語であれば、まったく不思議なことではありません。

 三千年以上前、黄河中流域に栄えた殷は、敵対する周辺蛮族と戦い、それを占った内容を甲骨文字に残しています。しかし、周辺蛮族に縄文語を共有する人々が多かったとしたらどう考えればいいでしょうか。甲骨文字は決して縄文語ではありません。もしかすると、殷を建国した人々は決して中国の先住民に近しい民族ではなく、はるか遠方から移住してきた異民族の集団だったのかもしれません。

 縄文語に文字を充てる作業はすでに殷の時代から行われていました。中原の圧迫を逃れた人々が言語を共有する日本に渡ってくることも、また、日本の歴史が漢字表記されることも、極めて自然な流れだったのです。


日没する国のエラーコラム
第百十一回 中国漢代の県名(上古音)が示す!東夷、南蛮の言語は縄文語(アイヌ語)だった!~青州東萊郡~
 今回は青州東萊郡。

【凡例】
・上古音: 高本漢系統/王力系統/董同龢系統/周法高系統/李方桂系統
 ※それぞれ「聲母」「半角スペース」「韻母」と配置
 ※該当する説が存在しないものには「-」を表記
〈参考〉漢字古今音資料庫(https://xiaoxue.iis.sinica.edu.tw/ccr/)

・解釈評価:★★★★★
◇周囲の地勢と対比可能な確度の高い解釈。
◇多くの近隣同一解釈。
※「パン=川下」⇔「ペン=川上」、「タン=こちらの」⇔「近隣の同地勢」、「集中する湖沼の解釈」「集中する低い山の解釈」など。確実性の低いものは★4つ。

・解釈評価:★★★★
◇縄文語と上古音の発音と特徴的な地勢が一致する解釈。
◇隣接する県と辻褄の合う特徴的な地勢。
※「岩崖」「滝」「湖沼」など。

・解釈評価:★★★
◇縄文語と上古音の発音と一般的な地勢が一致する解釈。
◇特徴的な地勢と一致するが、発音があまり一致しない解釈。
◇他地域の同じ地勢と同一解釈が可能な解釈。
※特定の「川」「山」「低地」など、はっきりとどこを指したか分かるもの。

・解釈評価:★★
◇どこの地勢を指したかは不分明だが、無理なく縄文語(アイヌ語)解釈できるもの。

・解釈評価:★
◇縄文語解釈できないもの。不明なもの。

■■■ 青州 東萊郡 ■■■
■(東萊郡)平度県
・時代:前漢
・上古音:「平」bʰ i̯ĕŋ/b ǐeŋ/bʰ jĕŋ/b ieŋ/b jing
・上古音:「度」dʰ ɑk/d ak/dʰ ɑk/d ak/d ak
・場所:現在の山東省煙台市平度市
・地勢:北部に険しい岩山
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:平度=「ペン・タ」=「川上の・石」

 縄文語解釈そのままです。

⇒平度茶山風景区–般若寺
Sprt98, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons
平度茶山风景区–般若寺



■(東萊郡)盧郷県
・時代:前漢
・上古音:「盧」l o/l a/l ɑɡ/l aɣ/l ag
・上古音:「鄉」x i̯aŋ/h ǐaŋ/x jaŋ/x jaŋ/h jang
・場所:現在の山東省青島市平度市
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:盧郷=「ランケ・シ」=「低いところにある・山」

  縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。南に接する監朐県と対の関係になっています。

◎縄文語:監朐=「カン・キ」=「上にある・山」




■(東萊郡)監朐県
・時代:前漢
・上古音:「監」kl am/k eam/k am/k ram/k ramh
・上古音:「朐」k i̯u/k ǐwɔ/k juɡ/k jew/k ugh
・場所:現在の山東省煙台市萊州市
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:監朐=「カン・キ」=「上にある・山」

 南に接する盧郷県と対の関係になっています。

◎縄文語:盧郷=「ランケ・シ」=「低いところにある・山」




■(東萊郡)掖県
・時代:前漢
・上古音:「掖」z i̯ăk/ʎ iak/d jăk/r iak/r ak
・場所:現在の山東省煙台市萊州市
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:掖=「ヤケ」=「岸辺」

 比定地を同じくする掖県、当利県、陽楽県の辻褄が合っています。

◎縄文語:当利=「タン・ラー」=「こちらの・低いところ」
◎縄文語:陽楽=「ヤン・ラケ」=「陸岸にある・低いところ」




■(東萊郡)当利県
・時代:前漢
・上古音:「当」t ɑŋ/t aŋ/t ɑŋ/t aŋ/t angh
・上古音:「利」l i̯əd/l ǐei/l jed/l ier/l jidh
・場所:現在の山東省煙台市萊州市
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:当利=「タン・ラー」=「こちらの・低いところ」

 比定地を同じくする掖県、当利県、陽楽県の辻褄が合っています。

◎縄文語:掖=「ヤケ」=「岸辺」
◎縄文語:陽楽=「ヤン・ラケ」=「陸岸にある・低いところ」




■(東萊郡)陽楽県
・時代:前漢
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・上古音:「樂」ŋl ŏk/ŋ eauk/ŋ ɔk/ŋ rawk/ng rakw
・上古音:「樂」ɡl ɔk/l auk/l ɔ̂k2/l awk/ngl akw
・場所:現在の山東省煙台市萊州市
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:陽楽=「ヤン・ラケ」=「陸岸にある・低いところ」

 比定地を同じくする掖県、当利県、陽楽県の辻褄が合っています。

◎縄文語:掖=「ヤケ」=「岸辺」
◎縄文語:当利=「タン・ラー」=「こちらの・低いところ」




■(東萊郡)陽石県
・時代:前漢
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・上古音:「石」ȡ i̯ăk/ʑ iak/- -/d jiak/d jiak
・場所:現在の山東省煙台市萊州市
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:陽石=「ヤチ・ケ」=「泥の・ところ」

 上記の陽楽県、当利県の「低地」の解釈と通じます。




■(東萊郡)腄県
・時代:前漢
・上古音:「腄」- -/- -/t jua/t iwa/t rjuar
・上古音:「腄」- -/- -/dʰ jua/d iwa/d rjuarh
・場所:現在の山東省煙台市福山区
・解釈評価:★★★

◎縄文語:腄=「テュ」=「峰、岬」




■(東萊郡)牟平県
・時代:前漢
・上古音:「牟」m/m ǐu/m jŏɡ/m jəw/m jəgw
・上古音:「平」bʰ i̯ĕŋ/b ǐeŋ/bʰ jĕŋ/b ieŋ/b jing
・場所:現在の山東省煙台市福山区
・解釈評価:★★★

◎縄文語:牟平=「メ・ぺ」=「泉の・水」




■(東萊郡)東牟県
・時代:前漢、後漢
・上古音:「東」t uŋ/t ɔŋ/t ûŋ/t ewŋ/t ung
・上古音:「牟」m/m ǐu/m jŏɡ/m jəw/m jəgw
・場所:現在の山東省煙台市福山区
・解釈評価:★★★

◎縄文語:東牟=「タン・メ」=「こちらの・泉」

 字義通り「牟平県の東」の意の可能性もあります。




■(東萊郡)黄県
・時代:前漢
・上古音:「黄」ɡʰ wɑŋ/ɣ uaŋ/ɣ uɑŋ/ɡ waŋ/gw ang
・場所:現在の山東省煙台市竜口市
・解釈評価:★★★

◎縄文語:黄=「コッ」=「窪地」




■(東萊郡)徐郷県
・時代:前漢
・上古音:「徐」dz i̯o/z ǐa/z jaɡ/r jaɣ/sd jag
・上古音:「鄉」x i̯aŋ/h ǐaŋ/x jaŋ/x jaŋ/h jang
・場所:現在の山東省煙台市竜口市
・解釈評価:★★★

◎縄文語:徐郷=「チゥ・シ」=「水脈、水流の・山」




■(東萊郡)惤県
・時代:前漢
・上古音:「㡉」- -/- -/k ien/k en/k in
・場所:現在の山東省煙台市竜口市
・解釈評価:★★★

◎縄文語:惤=「キ」=「山」




■(東萊郡)曲成県
・時代:前漢
・上古音:「曲」kʰ i̯uk/kʰ ǐwɔk/kʰ juk/kʰ jewk/kh juk
・上古音:「成」ȡ i̯ĕŋ/ʑ ǐeŋ/ʑ jeŋ/d jieŋ/d jing
・場所:現在の山東省煙台市招遠市
・解釈評価:★★

◎縄文語:曲成=「コケ・チゥ」=「曲がっている・水流、水脈」




■(東萊郡)育犂県
・時代:前漢
・上古音:「育」d -/ʎ ǐuk/ɡ jok/ɣr iəwk/r əkw
・上古音:「犂」l i̯ər/- -/l jed/l ier/l jid
・上古音:「犂」l iər/l iei/l ied/l er/l id
・場所:現在の山東省煙台市牟平区
・解釈評価:★★

◎縄文語:育犂=「エンコ・ラー」=「岬の・低いところ」




■(東萊郡)昌陽県
・時代:前漢
・上古音:「昌」ȶʰ i̯aŋ/ȶʰ ǐaŋ/ȶʰ jaŋ/tʰ jaŋ/th jang
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・場所:現在の山東省威海市文登区
・山東半島先端の峰裾。
・解釈評価:★★★

◎縄文語:昌陽=「タン・ヤー」=「こちらの・陸岸」




■(東萊郡)不夜県
・時代:前漢
・上古音:「不」p i̯ŭɡ/p ǐwə/p juə̆ɡ/p jwəɣ/p jəgx
・上古音:「不」- -/- -/tʰ jŏɡ/tʰ iəw/th jəgwh
・上古音:「夜」z i̯ăɡ/ʎ ia/d jăɡ/r aɣ/r iagh
・場所:現在の山東省威海市栄成市
・解釈評価:★★★

◎縄文語:不夜=「パン・ヤー」=「川下の・岸」

 縄文語と地勢が完全一致しています。




日没する国のエラーコラム
第百十二回 中国漢代の県名(上古音)が示す!東夷、南蛮の言語は縄文語(アイヌ語)だった!~青州斉郡~
 今回は青州斉郡。

【凡例】
・上古音: 高本漢系統/王力系統/董同龢系統/周法高系統/李方桂系統
 ※それぞれ「聲母」「半角スペース」「韻母」と配置
 ※該当する説が存在しないものには「-」を表記
〈参考〉漢字古今音資料庫(https://xiaoxue.iis.sinica.edu.tw/ccr/)

・解釈評価:★★★★★
◇周囲の地勢と対比可能な確度の高い解釈。
◇多くの近隣同一解釈。
※「パン=川下」⇔「ペン=川上」、「タン=こちらの」⇔「近隣の同地勢」、「集中する湖沼の解釈」「集中する低い山の解釈」など。確実性の低いものは★4つ。

・解釈評価:★★★★
◇縄文語と上古音の発音と特徴的な地勢が一致する解釈。
◇隣接する県と辻褄の合う特徴的な地勢。
※「岩崖」「滝」「湖沼」など。

・解釈評価:★★★
◇縄文語と上古音の発音と一般的な地勢が一致する解釈。
◇特徴的な地勢と一致するが、発音があまり一致しない解釈。
◇他地域の同じ地勢と同一解釈が可能な解釈。
※特定の「川」「山」「低地」など、はっきりとどこを指したか分かるもの。

・解釈評価:★★
◇どこの地勢を指したかは不分明だが、無理なく縄文語(アイヌ語)解釈できるもの。

・解釈評価:★
◇縄文語解釈できないもの。不明なもの。

■■■ 青州 斉郡 ■■■
■(斉郡)臨菑県
・時代:前漢
・上古音:「臨」bl i̯əm/l ǐəm/l jəm/l iəm/bl jəmh
・上古音:「菑」tʂ i̯əɡ/tʃ ǐə/ts əɡ/ts iəɣ/ts rjəg
・場所:現在の山東省淄博市臨淄区
・地勢:泰沂山脈北東部の山裾
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:臨菑=「ラ・テュ」=「低い・峰」

 縄文語と地勢が完全一致しています。




■(斉郡)西安県
・時代:前漢
・上古音:「西」s iər/s iei/s ied/s er/s id
・上古音:「安」ʔ ɑn/0 an/ʔ ɑn/ʔ an/· an
・場所:現在の山東省淄博市臨淄区
・地勢:泰沂山脈北東部の山裾
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:西安 =「シ・アゥ」=「山の・枝分かれ」=枝分かれた山




■(斉郡)利県
・時代:前漢
・上古音:「利」l i̯əd/l ǐei/l jed/l ier/l jidh
・場所:現在の山東省浜州市博興県
・地勢:泰沂山脈北部の山裾
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:利=「ラー」=「低いところ」




■(斉郡)昌国県
・時代:前漢
・上古音:「昌」ȶʰ i̯aŋ/ȶʰ ǐaŋ/ȶʰ jaŋ/tʰ jaŋ/th jang
・上古音:「國」k wək/k uək/k uə̂k/k wək/kw ək
・場所:現在の山東省淄博市張店区
・地勢:泰沂山脈北部の山裾
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:昌国=「タン・コッ・ケ」=「こちらの・窪地、谷、沢・ところ」

 次項の東隣の広県と対の関係になっています。




■(斉郡)広県
・時代:前漢
・上古音:「廣」k wɑŋ/k uaŋ/k uɑŋ/k waŋ/kw angx
・場所:現在の山東省濰坊市青州市
・地勢:泰沂山脈東北部の山、山裾
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:広=「コッ」=「窪地、谷、沢」

 前項の西隣の昌国県と対の関係になっています。




■(斉郡)臨朐県
・時代:前漢
・上古音:「臨」bl i̯əm/l ǐəm/l jəm/l iəm/bl jəmh
・上古音:「朐」k i̯u/k ǐwɔ/k juɡ/k jew/k ugh
・場所:現在の山東省濰坊市臨ク県
・地勢:泰沂山脈東部の山、山裾
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:臨朐=「ラ・キ」=「低い・山」

 縄文語解釈と地勢が完全一致しています。




■(斉郡)広饒県
・時代:前漢
・上古音:「廣」k wɑŋ/k uaŋ/k uɑŋ/k waŋ/kw angx
・上古音:「饒」ȵ i̯oɡ/ȵ ǐau/ɲ jɔɡ/n jiaw/ng rjagwh
・場所:現在の山東省東営市広饒県
・地勢:泰沂山脈東北方の平地、海岸
・解釈評価:★★★

◎縄文語:広饒=「コッ・ニィェ」=「窪地の・林、森」




■(斉郡)鉅定県
・時代:前漢
・上古音:「鉅」ɡʰ i̯o/- -/ɡʰ jaɡ/ɡ jaɣ/g jagx
・上古音:「定」dʰ ieŋ/d ieŋ/dʰ ieŋ/d eŋ/d ingh
・上古音:「定」t ieŋ/- -/- -/t eŋ/- -
・場所:現在の山東省東営市広饒県
・地勢:泰沂山脈東北方の平地、海岸
・解釈評価:★★★

◎縄文語:鉅定=「コッ・トー」=「窪地、谷、沢の・海」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。当時は淄博市あたりまで湾入していました。前項の広饒県の解釈とも整合性がとれています。

⇒海岸線の変遷(Qiushufang, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)
Yellow River course changes




日没する国のエラーコラム
第百十三回 中国漢代の県名(上古音)が示す!東夷、南蛮の言語は縄文語(アイヌ語)だった!~兗州陳留郡~
 今回は兗州陳留郡。

【凡例】
・上古音: 高本漢系統/王力系統/董同龢系統/周法高系統/李方桂系統
 ※それぞれ「聲母」「半角スペース」「韻母」と配置
 ※該当する説が存在しないものには「-」を表記
〈参考〉漢字古今音資料庫(https://xiaoxue.iis.sinica.edu.tw/ccr/)

・解釈評価:★★★★★
◇周囲の地勢と対比可能な確度の高い解釈。
◇多くの近隣同一解釈。
※「パン=川下」⇔「ペン=川上」、「タン=こちらの」⇔「近隣の同地勢」、「集中する湖沼の解釈」「集中する低い山の解釈」など。確実性の低いものは★4つ。

・解釈評価:★★★★
◇縄文語と上古音の発音と特徴的な地勢が一致する解釈。
◇隣接する県と辻褄の合う特徴的な地勢。
※「岩崖」「滝」「湖沼」など。

・解釈評価:★★★
◇縄文語と上古音の発音と一般的な地勢が一致する解釈。
◇特徴的な地勢と一致するが、発音があまり一致しない解釈。
◇他地域の同じ地勢と同一解釈が可能な解釈。
※特定の「川」「山」「低地」など、はっきりとどこを指したか分かるもの。

・解釈評価:★★
◇どこの地勢を指したかは不分明だが、無理なく縄文語(アイヌ語)解釈できるもの。

・解釈評価:★
◇縄文語解釈できないもの。不明なもの。

■■■ 兗州 陳留郡 ■■■

■(陳留郡)陳留県
・時代:前漢
・上古音:「陳」dʰ i̯ĕn/d ǐen/dʰ jen/d ien/d rjinh
・上古音:「留」l -/l ǐu/l jŏɡ/l iəw/l jəgwh
・場所:現在の河南省開封市祥符区
・地勢:洛陽東方の平原
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:陳留=「タン・ラー」=「こちらの・窪地」

次項の小黄県と同類の解釈です。開封市、商丘市西部の地名の多くは湖沼、岸辺などの水辺に類する解釈が可能です。




■(陳留郡)小黄県
・時代:前漢
・上古音:「小」s i̯oɡ/s ǐau/s jɔɡ/s jiaw/s jagwx
・上古音:「黃」ɡʰ wɑŋ/ɣ uaŋ/ɣ uɑŋ/ɡ waŋ/gw ang
・場所:現在の河南省開封市祥符区
・地勢:洛陽東方の平原
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:小黄=「シアン・コッ」=「広大な・窪地、谷」

前項の陳留県と同類の解釈です。開封市、商丘市西部の地名の多くは湖沼、岸辺などの水辺に類する解釈が可能です。




■(陳留郡)成安県
・時代:前漢
・上古音:「成」ȡ i̯ĕŋ/ʑ ǐeŋ/ʑ jeŋ/d jieŋ/d jing
・上古音:「安」ʔ ɑn/0 an/ʔ ɑn/ʔ an/· an
・場所:現在の河南省商丘市民権県
・地勢:洛陽東方の平原
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:成安=「チゥ・アゥ」=「水流、水脈の・枝分かれ」=枝分かれた水流、水脈

黄河故道があるので、もともと湖沼だったと思われます。開封市、商丘市西部の地名の多くは湖沼、岸辺などの水辺に類する解釈が可能です。




■(陳留郡)寧陵県
・時代:前漢
・上古音:「寧」n ieŋ/n ieŋ/n ieŋ/- -/- -/n ing
・上古音:「陵」l i̯əŋ/l ǐəŋ/l jəŋ/l iəŋ/l jəng
・場所:現在の河南省商丘市寧陵県
・地勢:洛陽東方の平原
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:寧陵=「ニン・ラー」=「しみこんだ・低いところ」

開封市、商丘市西部の地名の多くは湖沼、岸辺などの水辺に類する解釈が可能です。




■(陳留郡)雍丘県
・時代:前漢
・上古音:「雍」ʔ i̯uŋ/0 ǐwɔŋ/- -/ʔ jewŋ/- -
・上古音:「丘」kʰ i̯ŭɡ/kʰ ǐwə/kʰ juə̆ɡ/kʰ jwəɣ/kh jəg
・場所:現在の河南省開封市杞県
・地勢:洛陽東方の平原。
・解釈評価:★★★

◎縄文語:雍丘=「アゥ・ケ」=「枝川の・ところ」

開封市、商丘市西部の地名の多くは湖沼、岸辺などの水辺に類する解釈が可能です。




■(陳留郡)酸棗県
・時代:前漢
・上古音:「酸」s wɑn/s uan/s uɑn/s wan/s uan
・上古音:「棗」ts -/ts u/ts ôɡ/ts əw/ts əgwx
・場所:現在の河南省新郷市延津県
・地勢:洛陽北東の山裾の平原。当時の黄河沿岸。
・解釈評価:★★

◎縄文語:酸棗=「サン・サ」=「前にある・浜」




■(陳留郡)東昏県
・時代:前漢
・上古音:「東」t uŋ/t ɔŋ/t ûŋ/t ewŋ/t ung
・上古音:「昏」xm wən/h uən/m̥ uə̂n/xm wən/hm ən
・場所:現在の河南省開封市蘭考県
・地勢:洛陽東方の平原
・解釈評価:★★★

◎縄文語:東昏=「トー・メ」=「湖沼の・泉」

開封市、商丘市西部の地名の多くは湖沼、岸辺などの水辺に類する解釈が可能です。




■(陳留郡)襄邑県
・時代:前漢
・上古音:「襄」sn i̯aŋ/s ǐaŋ/s jaŋ/s jaŋ/sn jang
・上古音:「邑」ʔ i̯əp/0 ǐəp/ʔ jəp/ʔ iəp/· jəp
・場所:現在の河南省商丘市睢県
・地勢:洛陽東方の平原
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:襄邑=「シアン・ヤー」=「大きな・陸岸」

開封市、商丘市西部の地名の多くは湖沼、岸辺などの水辺に類する解釈が可能です。




■(陳留郡)外黄県
・時代:前漢
・上古音:「外」ŋ wɑd/ŋ uat/ŋ uɑd/ŋ war/ngw adh
・上古音:「黄」ɡʰ wɑŋ/ɣ uaŋ/ɣ uɑŋ/ɡ waŋ/gw ang
・場所:現在の河南省商丘市民権県
・地勢:洛陽東方の平原
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:外黄=「コッ・カ」=「窪地の・ほとり」

開封市、商丘市西部の地名の多くは湖沼、岸辺などの水辺に類する解釈が可能です。




■(陳留郡)封丘県
・時代:前漢
・上古音:「封」p i̯uŋ/p ǐwɔŋ/p juŋ/p jewŋ/p jung
・上古音:「丘」kʰ i̯ŭɡ/kʰ ǐwə/kʰ juə̆ɡ/kʰ jwəɣ/kh jəg
・場所:現在の河南省新郷市封丘県
・地勢:洛陽東方の平原
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:封丘=「ペンケ」=「川上」

東隣の平丘県とまったくの同義です。

◎縄文語:平丘=「ペンケ」=「川上」

また、北東方の白馬県、濮陽県、范県と対の関係になっています。つまり、黄河の川上、川下という意味です(※当時は東岸)。極めて確度の高い縄文語解釈です。

◎縄文語:白馬=「パンケ・マ」=「川下の・谷川」
◎縄文語:濮陽=「パンケ・ヤー」=「川下の・陸岸」
◎縄文語:范=「パン」=「川下」




■(陳留郡)長羅県
・時代:前漢
・上古音:「長」t i̯aŋ/t ǐaŋ/t jaŋ/t iaŋ/t rjangx
・上古音:「長」dʰ i̯aŋ/d ǐaŋ/dʰ jaŋ/d iaŋ/d rjangh
・上古音:「羅」l ɑ/l ai/l ɑ/l a/l ar
・場所:現在の河南省新郷県長垣県長垣市
・地勢:洛陽東方の平原、当時は黄河の東岸の平原
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:長羅=「タン・ラー」=「こちらの・低いところ」

比定地を同じくする長垣県とまったく同義です。

◎縄文語:長垣=「タン・コッ」=「こちらの・窪地、谷、沢」




■(陳留郡)尉氏県
・時代:前漢
・上古音:「尉」ʔ i̯wəd/0 ǐwət/ʔ juə̆t/ʔ jwət/·w jət
・上古音:「氏」ȡ i̯ĕɡ/ȶ ǐe/j jeɡ/d jieɣ/g rjigx
・場所:現在の河南省開封市尉氏県
・地勢:黄河南岸、洛陽東方の山裾の平原
・解釈評価:★★★

◎縄文語:尉氏=「アゥ・チゥ」=「枝分かれた・水流、水脈」

開封市、商丘市西部の地名の多くは湖沼、岸辺などの水辺に類する解釈が可能です。




■(陳留郡)傿県
・時代:前漢
・上古音:「傿」- -/- -/ʔ jăn/ʔ jan/· janh
・場所:現在の河南省商丘市柘城県
・地勢:黄河南岸、華北平原
・解釈評価:★★★

◎縄文語:傿=「アゥ」=「枝川」

商丘市一帯は水辺の解釈で一致しています。。




■(陳留郡)長垣県
・時代:前漢
・上古音:「長」t i̯aŋ/t ǐaŋ/t jaŋ/t iaŋ/t rjangx
・上古音:「長」dʰ i̯aŋ/d ǐaŋ/dʰ jaŋ/d iaŋ/d rjangh
・上古音:「垣」ɡ i̯wăn/ɣ ǐwan/ɣ juăn/ɣ jwan/gw jan
・場所:現在の河南省新郷県長垣市
・地勢:当時は黄河東岸の平原。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:長垣=「タン・コッ」=「水こちらの・窪地、谷、沢」

比定地を同じくする長羅県とまったくの同義です。

◎縄文語:長羅=「タン・ラー」=「こちらの・低いところ」




■(陳留郡)平丘県
・時代:前漢
・上古音:「平」bʰ i̯ĕŋ/b ǐeŋ/bʰ jĕŋ/b ieŋ/b jing
・上古音:「丘」kʰ i̯ŭɡ/kʰ ǐwə/kʰ juə̆ɡ/kʰ jwəɣ/kh jəg
・場所:現在の河南省新郷県長垣市
・地勢:当時は黄河東岸の平原。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:平丘=「ペンケ」=「川上」

 西隣の封丘県とまったくの同義です。

◎縄文語:封丘=「ペンケ」=「川上」

 また、北東方の白馬県、濮陽県、范県と対の関係になっています。つまり、黄河の川上、川下という意味です(※当時は東岸)。極めて確度の高い縄文語解釈です。

◎縄文語:白馬=「パンケ・マ」=「川下の・谷川」
◎縄文語:濮陽=「パンケ・ヤー」=「川下の・陸岸」
◎縄文語:范=「パン」=「川下」




■(陳留郡)済陽県
・時代:前漢
・上古音:「濟」ts iər/ts iei/ts ied/ts er/ts idh
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・場所:現在の河南省開封市蘭考県
・地勢:微山湖西方の平原
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:済陽=「チゥ・ヤー」=「水脈、水流の・陸岸」

 開封市、商丘市西部の地名の多くは湖沼、岸辺などの水辺に類する解釈が可能です。




■(陳留郡)浚儀県
・時代:前漢
・上古音:「浚」s i̯wən/s iwən/s juən/s jiwən/s jənh
・上古音:「儀」ŋ ia/ŋ ǐai/ŋ ja/ŋ ia/ng jar
・場所:現在の河南省開封市祥符区
・地勢:微山湖西方の平原
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:浚儀=「シアン・コッ」=「大きな・窪地、谷、沢」

 比定地を同じくする小黄県とまったくの同義です。開封市、商丘市西部の地名の多くは湖沼、岸辺などの水辺に類する解釈が可能です。




日没する国のエラーコラム
第百十四回 中国漢代の県名(上古音)が示す!東夷、南蛮の言語は縄文語(アイヌ語)だった!~兗州東郡~
 今回は兗州東郡。

【凡例】
・上古音: 高本漢系統/王力系統/董同龢系統/周法高系統/李方桂系統
 ※それぞれ「聲母」「半角スペース」「韻母」と配置
 ※該当する説が存在しないものには「-」を表記
〈参考〉漢字古今音資料庫(https://xiaoxue.iis.sinica.edu.tw/ccr/)

・解釈評価:★★★★★
◇周囲の地勢と対比可能な確度の高い解釈。
◇多くの近隣同一解釈。
※「パン=川下」⇔「ペン=川上」、「タン=こちらの」⇔「近隣の同地勢」、「集中する湖沼の解釈」「集中する低い山の解釈」など。確実性の低いものは★4つ。

・解釈評価:★★★★
◇縄文語と上古音の発音と特徴的な地勢が一致する解釈。
◇隣接する県と辻褄の合う特徴的な地勢。
※「岩崖」「滝」「湖沼」など。

・解釈評価:★★★
◇縄文語と上古音の発音と一般的な地勢が一致する解釈。
◇特徴的な地勢と一致するが、発音があまり一致しない解釈。
◇他地域の同じ地勢と同一解釈が可能な解釈。
※特定の「川」「山」「低地」など、はっきりとどこを指したか分かるもの。

・解釈評価:★★
◇どこの地勢を指したかは不分明だが、無理なく縄文語(アイヌ語)解釈できるもの。

・解釈評価:★
◇縄文語解釈できないもの。不明なもの。

■■■ 兗州 東郡 ■■■

■(東郡)濮陽県
・時代:秦or前漢
・上古音:「濮」- -/p ɔk/p ûk/p ewk/p uk
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・場所:現在の河南省濮陽市濮陽県
・地勢:微山湖北西の平原、当時の黄河の東岸
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:濮陽=「パンケ・ヤー」=「川下の・陸岸」

 北隣の范県、発干県、南隣の白馬県と同義です。

◎縄文語:范=「パン」=「川下」
◎縄文語:白馬=「パンケ・マ」=「川下の・谷川」
◎縄文語:発干=「パンケ」=「川下」

 南西方の平丘県、封丘県の意が「川上」で対の関係になっています。つまり、黄河の川上、川下という意味です(※当時は東岸)。極めて確度の高い縄文語解釈です。

◎縄文語:平丘=「ペンケ」=「川上」
◎縄文語:封丘=「ペンケ」=「川上」




■(東郡)観県
・時代:秦or前漢
・上古音:「」k wɑn/k uan/k uɑn/k wan/kw anh
・場所:現在の山東省聊城市莘県
・地勢:微山湖北西の平原、当時の黄河の東岸。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:観=「コッ」=「窪地、谷、沢」

聊城市は当時の黄河沿岸。黄河とその支流の川関連の解釈で一致しています。




■(東郡)聊城県
・時代:秦or前漢
・上古音:「聊」l  -/l iu/l ioɡ/l eəw/l iəgw
・上古音:「城」ȡ i̯ĕŋ/ʑ ǐeŋ/ʑ jeŋ/d jieŋ/d jing
・場所:現在の山東省聊城市東昌府区
・地勢:微山湖北西の平原、当時の黄河の南岸。
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:聊城=「ラー・チゥェ」=「低いところの・水脈」

 聊城市は当時の黄河沿岸。黄河とその支流の川関連の解釈で一致しています。




■(東郡)頓丘県
・時代:秦or前漢
・上古音:「頓」t wən/t uən/t uə̂n/t wən/t ənh
・上古音:「丘」kʰ i̯ŭɡ/kʰ ǐwə/kʰ juə̆ɡ/kʰ jwəɣ/kh jəg
・場所:現在の河南省濮陽市清豊県
・地勢:当時の黄河の沿岸。
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:頓丘=「タン・コッ」=「こちらの・窪地、谷、沢」




■(東郡)発干県
・時代:秦or前漢
・上古音:「」p i̯wăt/p ǐwat/p juăt/p jwat/p jat
・上古音:「干」k ɑn/k an/k ɑn/k an/k an
・場所:現在の山東省聊城市莘県
・地勢:泰沂山脈西方の平原
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:発干=「パンケ」=「川下」

当時の黄河東岸、南岸。南に接する范県と同義です。
聊城市は黄河とその支流の川関連の解釈で一致しています。




■(東郡)范県
・時代:秦or前漢
・上古音:「范」bʰ i̯wăm/b ǐwam/bʰ juăm/b jwam/b jamx
・場所:現在の河南省濮陽市范県
・地勢:泰沂山脈西方の平原
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:范=「パン」=「川下」

 南隣の「濮陽県」「白馬県」「発干県」と類似語源です。

◎縄文語:濮陽=「パンケ・ヤー」=「川下の・陸岸」
◎縄文語:白馬=「パンケ・マ」=「川下の・谷川」
◎縄文語:発干=「パンケ」=「川下」

 また、南西方の平丘県、封丘県の意が「川上」で対の関係になっています。つまり、黄河の川上、川下という意味です(※当時は東岸)。極めて確度の高い縄文語解釈です。

◎縄文語:平丘=「ペンケ」=「川上」
◎縄文語:封丘=「ペンケ」=「川上」




■(東郡)茌平県
・時代:秦or前漢
・上古音:「茬」- -/- -/ts əɡ/ts iəɣ/ts rjəg
・上古音:「茬」- -/- -/dzʰ əɡ/dz iəɣ/dz rjəg
・上古音:「平」bʰ i̯ĕŋ/b ǐeŋ/bʰ jĕŋ/b ieŋ/b jing
・場所:現在の山東省聊城市茌平区
・地勢:泰沂山脈西北の平原
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:茌平=「チゥ・ペー」=「水流、水脈の・水」

聊城市は当時の黄河沿岸。黄河とその支流の川関連の解釈で一致しています。




■(東郡)東武陽県
・時代:秦or前漢
・上古音:「東」t uŋ/t ɔŋ/t ûŋ/t ewŋ/t ung
・上古音:「武」m i̯wo/m ǐwa/m juaɡ/m jwaɣ/m jagx
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・場所:現在の山東省聊城市莘県
・地勢:泰沂山脈西方の平原
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:東武陽=「タン・メ・ヤー」=「こちらの・泉の・岸」

泰沂山脈の麓には「南武陽」がありますが、「東」「南」に地勢上の整合性がありません。




■(東郡)博平県
・時代:秦or前漢
・上古音:「博」p ɑk/p uak/p uɑk/p wak/p ak
・上古音:「平」bʰ i̯ĕŋ/b ǐeŋ/bʰ jĕŋ/b ieŋ/b jing
・場所:現在の山東省聊城市茌平区
・地勢:泰沂山脈西北の平原
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:博平=「パンケ・ぺー」=「川下の・水」

 聊城市は当時の黄河沿岸。黄河とその支流の川関連の解釈で一致しています。




■(東郡)黎県
・時代:秦or前漢
・上古音:「黎」l iər/l iei/l ied/l er/l id
・場所:現在の山東省菏沢市鄆城県
・地勢:微山湖北西の平原
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:黎=「ラー」=「低いところ」

 菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりに雷夏澤、成武県あたりには菏澤がありました。




■(東郡)離狐県
・時代:秦or前漢
・上古音:「離」l ia/l ǐai/l ja/l ia/l jiarh
・上古音:「狐」ɡʰ wo/ɣ a/ɣ uɑɡ/ɡ waɣ/gw ag
・場所:現在の山東省菏沢市牡丹区
・地勢:微山湖北西の平原
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:離狐=「ラー・カ」=「低いところの・ほとり」

 菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりに雷夏澤、成武県あたりには菏澤がありました。




■(東郡)清県
・時代:秦or前漢
・上古音:「清」tsʰ i̯ĕŋ/tsʰ ǐeŋ/tsʰ jeŋ/tsʰ jieŋ/tsh jing
・場所:現在の山東省聊城市茌平区
・地勢:泰沂山脈北西の平原
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:清=「チゥ」=「水流、水脈」

 聊城市は当時の黄河沿岸。黄河とその支流の川関連の解釈で一致しています。




■(東郡)東阿県
・時代:秦or前漢
・上古音:「東」t uŋ/t ɔŋ/t ûŋ/t ewŋ/t ung
・上古音:「阿」ʔ ɑ/0 ai/ʔ ɑ/ʔ a/· ar
・場所:現在の山東省聊城市東阿県
・地勢:泰沂山脈北西の平原
・解釈評価:★★★

◎縄文語:東阿=「トー・アゥ」=「湖沼の・枝分かれ」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。独立した湖沼がいくつかあります。
⇒東阿阿膠城西城門(googlemap)




■(東郡)臨邑県
・時代:秦or前漢
・上古音:「臨」bl i̯əm/l ǐəm/l jəm/l iəm/bl jəmh
・上古音:「邑」ʔ i̯əp/0 ǐəp/ʔ jəp/ʔ iəp/· jəp
・場所:現在の山東省徳州市臨邑県
・地勢:泰沂山脈北方の平原
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:臨邑=「ラ・ヤー」=「低い・陸岸」

 徳州市は当時の黄河沿岸。この辺り一帯の多くの地名は黄河、あるいは支流に関する解釈が可能です。




■(東郡)須昌県
・時代:秦or前漢
・上古音:「須」s i̯u/s ǐwɔ/s juɡ/s jew/s jug
・上古音:「昌」ȶʰ i̯aŋ/ȶʰ ǐaŋ/ȶʰ jaŋ/tʰ jaŋ/th jang
・場所:現在の山東省泰安市東平県
・地勢:泰沂山脈西方の峰の麓。
・解釈評価:★★★

◎縄文語:須昌=「シ・チャ」=「山の・ふち」=山際

縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。




■(東郡)寿良県
・時代:秦or前漢
・上古音:「壽」ȡ -/ʑ ǐu/ʑ jŏɡ/d jəw/d jəgwh
・上古音:「良」l i̯aŋ/l ǐaŋ/l jaŋ/l iaŋ/l jang
・場所:現在の山東省泰安市東平県
・地勢:泰沂山脈西方の峰の麓
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:寿良=「チゥ・ラー」=「水流、水脈の・低いところ」

縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。




■(東郡)楽昌県
・時代:秦or前漢
・上古音:「樂」ŋl ŏk/ŋ eauk/ŋ ɔk/ŋ rawk/ng rakw
・上古音:「樂」ɡl ɔk/l auk/l ɔ̂k2/l awk/ngl akw
・上古音:「昌」ȶʰ i̯aŋ/ȶʰ ǐaŋ/ȶʰ jaŋ/tʰ jaŋ/th jang
・場所:現在の河南省濮陽市南楽県
・地勢:泰沂山脈西方の平原
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:楽昌=「ラケ・チャ」=「低地の・ほとり」

 当時の黄河沿岸。




■(東郡)陽平県
・時代:秦or前漢
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・上古音:「平」bʰ i̯ĕŋ/b ǐeŋ/bʰ jĕŋ/b ieŋ/b jing
・場所:現在の山東省聊城市莘県
・地勢:泰沂山脈西方の平原
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:陽平=「ヤン・ぺー」=「陸岸にある・水」

 聊城市は当時の黄河沿岸。黄河とその支流の川関連の解釈で一致しています。




■(東郡)白馬県
・時代:秦or前漢
・上古音:「白」bʰ ăk/b eak/bʰ uăk/b rwak/b rak
・上古音:「馬」m ɔ/m ea/m uăɡ/m rwaɣ/m ragx
・場所:現在の河南省安陽市滑県
・地勢:当時の黄河の東岸、南岸。山裾の平原。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:白馬=「パンケ・マ」=「川下の・谷川」

 この一帯は、黄河の上流、下流で命名された地名がたくさんあります。極めて確度の高い縄文語解釈です。

◎縄文語:平丘=「ペンケ」=「川上」
◎縄文語:封丘=「ペンケ」=「川上」
◎縄文語:白馬=「パンケ・マ」=「川下の・谷川」
◎縄文語:濮陽=「パンケ・ヤー」=「川下の・陸岸」
◎縄文語:范=「パン」=「川下」




■(東郡)南燕県
・時代:秦or前漢
・上古音:「南」n əm/n əm/n ə̂m/n əm/n əm
・上古音:「燕」ʔ ian/0 ian/ʔ iæn/ʔ ean/· ianh
・場所:現在の河南省新郷市延津県
・地勢:当時の黄河の東岸か。山裾の平原。
・解釈評価:★★★

◎縄文語:南燕=「ナィ・アゥ」=「川の・枝分かれ」=枝分かれた川




■(東郡)廩丘県
・時代:秦or前漢
・上古音:「廩」bl i̯əm/l ǐəm/- -/- -/l iəm/bl jəmx
・上古音:「丘」kʰ i̯ŭɡ/kʰ ǐwə/kʰ juə̆ɡ/kʰ jwəɣ/kh jəg
・場所:現在の山東省菏沢市鄆城県
・地勢:泰沂山脈の西方の平原。微山湖の北西。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:廩丘=「ラ・コッ」=「低い・窪地」

 菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりに雷夏澤、成武県あたりには菏澤がありました。





■(東郡)衛国県
・時代:前漢
・上古音:「衛」ɡ i̯wad/ɣ ǐwat/ɣ juæd/ɣ iwar/gw jadh
・上古音:「國」k wək/k uək/k uə̂k/k wək/kw ək
・場所:現在の河南省濮陽市清豊県
・地勢:泰沂山脈の西方の平原。
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:衛国=「コッ・カ」=「窪地、谷、沢の・ほとり」

  当時の黄河沿岸。




日没する国のエラーコラム
第百十五回 中国漢代の県名(上古音)が示す!東夷、南蛮の言語は縄文語(アイヌ語)だった!~兗州東平郡~
 今回は兗州東平郡。

【凡例】
・上古音: 高本漢系統/王力系統/董同龢系統/周法高系統/李方桂系統
 ※それぞれ「聲母」「半角スペース」「韻母」と配置
 ※該当する説が存在しないものには「-」を表記
〈参考〉漢字古今音資料庫(https://xiaoxue.iis.sinica.edu.tw/ccr/)

・解釈評価:★★★★★
◇周囲の地勢と対比可能な確度の高い解釈。
◇多くの近隣同一解釈。
※「パン=川下」⇔「ペン=川上」、「タン=こちらの」⇔「近隣の同地勢」、「集中する湖沼の解釈」「集中する低い山の解釈」など。確実性の低いものは★4つ。

・解釈評価:★★★★
◇縄文語と上古音の発音と特徴的な地勢が一致する解釈。
◇隣接する県と辻褄の合う特徴的な地勢。
※「岩崖」「滝」「湖沼」など。

・解釈評価:★★★
◇縄文語と上古音の発音と一般的な地勢が一致する解釈。
◇特徴的な地勢と一致するが、発音があまり一致しない解釈。
◇他地域の同じ地勢と同一解釈が可能な解釈。
※特定の「川」「山」「低地」など、はっきりとどこを指したか分かるもの。

・解釈評価:★★
◇どこの地勢を指したかは不分明だが、無理なく縄文語(アイヌ語)解釈できるもの。

・解釈評価:★
◇縄文語解釈できないもの。不明なもの。

■■■ 兗州 東平郡 ■■■
■(東平郡)無塩県
・時代:前漢
・上古音:「無」m i̯wo/m ǐwa/m juaɡ/m jwaɣ/m jag
・上古音:「鹽」- -/ʎ ǐam/ɡ jam/ɣr iam/g rjam
・場所:現在の山東省泰安市東平県
・地勢:東平湖沿岸の湿地、平地、山。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:無塩
=「メ・ヤー」=「泉の・陸岸」
or「メ・カ」=「泉の・ほとり」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。東平湖のほとり。




■(東平郡)任城県
・時代:前漢
・上古音:「任」ȵ i̯əm/ȵ ǐəm/ȵ jəm/n jiəm/n jəmh
・上古音:「城」ȡ i̯ĕŋ/ʑ ǐeŋ/ʑ jeŋ/d jieŋ/d jing
・場所:現在の山東省済寧市微山県
・地勢:微山湖沿岸の平地、山。
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:任城=「ニン・チゥ」=「しみこんだ・水流、水脈」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。




■(東平郡)東平陸県
・時代:前漢
・上古音:「東」t uŋ/t ɔŋ/t ûŋ/t ewŋ/t ung
・上古音:「平」bʰ i̯ĕŋ/b ǐeŋ/bʰ jĕŋ/b ieŋ/b jing
・上古音:「陸」l -/l ǐuk/l jok/l iəwk/l jəkw
・場所:現在の山東省済寧市汶上県
・地勢:微山湖と東平湖の間の平原。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:東平陸=「タン・ペン・ラケ」=「こちらの・上流の・低いところ」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。大汶河支流の川上です。本流の川上との対比で「タン=こちらの」が使われています。




■(東平郡)樊県
・時代:前漢
・上古音:「樊」bʰ i̯wăn/b ǐwan/bʰ juăn/b jwan/b jan
・場所:現在の山東省済寧市任城区
・地勢:微山湖北岸の平地。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:樊=「パン」=「川下」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。
 微山湖周辺は、微山湖に近い場所が「川下」、遠ざかると「川上」と表現されています。。




■(東平郡)亢父県
・時代:前漢
・上古音:「亢」kʰ ɑŋ/kʰ aŋ/kʰ ɑŋ/kʰ aŋ/kh angh
・上古音:「父」p i̯wo/p ǐwa/- -/p jwaɣ/- -
・上古音:「父」bʰ i̯wo/b ǐwa/bʰ juaɡ/b jwaɣ/b jagx
・場所:現在の山東省済寧市任城区
・地勢:微山湖北岸の平地。
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:亢父=「コッ・パ」=「窪地の・上手」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。




■(東平郡・東平国)寿張県
・時代:後漢
・上古音:「壽」ȡ -/ʑ ǐu/ʑ jŏɡ/d jəw/d jəgwh
・上古音:「張」t i̯aŋ/t ǐaŋ/t jaŋ/t iaŋ/t rjang
・場所:現在の山東省済寧市
・地勢:微山湖北岸の平地。
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:寿張=「チゥ・チャ」=「水脈、水流の・岸」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。




■(東平郡・東平国)須昌県
・時代:後漢
・上古音:「須」s i̯u/s ǐwɔ/s juɡ/s jew/s jug
・上古音:「昌」ȶʰ i̯aŋ/ȶʰ ǐaŋ/ȶʰ jaŋ/tʰ jaŋ/th jang
・場所:現在の山東省済寧市梁山県
・地勢:東平湖西岸の平地。
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:須昌=「シ・チャ」=「山の・ふち、岸」

 菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりに雷夏澤、成武県あたりには菏澤がありました。

⇒水泊梁山風景名勝区(googlemap)




■(東平郡・東平国)寧陽県
・時代:前漢
・上古音:「寧」n ieŋ/n ieŋ/n ieŋ/- -/n ing
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・場所:現在の山東省泰安市寧陽県
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:寧陽=「ニン・ヤー」=「水がしみこんだ・陸岸」

 比定地を同じくする汶陽県、桃山県の解釈とも辻褄が合います。

◎縄文語:汶陽=「メ・ヤー」=「泉の・陸岸」
◎縄文語:桃山=「タン・サ」=「こちらの・浜」




日没する国のエラーコラム
第百十六回 中国漢代の県名(上古音)が示す!東夷、南蛮の言語は縄文語(アイヌ語)だった!~兗州泰山郡~
 今回は兗州泰山郡。

【凡例】
・上古音: 高本漢系統/王力系統/董同龢系統/周法高系統/李方桂系統
 ※それぞれ「聲母」「半角スペース」「韻母」と配置
 ※該当する説が存在しないものには「-」を表記
〈参考〉漢字古今音資料庫(https://xiaoxue.iis.sinica.edu.tw/ccr/)

・解釈評価:★★★★★
◇周囲の地勢と対比可能な確度の高い解釈。
◇多くの近隣同一解釈。
※「パン=川下」⇔「ペン=川上」、「タン=こちらの」⇔「近隣の同地勢」、「集中する湖沼の解釈」「集中する低い山の解釈」など。確実性の低いものは★4つ。

・解釈評価:★★★★
◇縄文語と上古音の発音と特徴的な地勢が一致する解釈。
◇隣接する県と辻褄の合う特徴的な地勢。
※「岩崖」「滝」「湖沼」など。

・解釈評価:★★★
◇縄文語と上古音の発音と一般的な地勢が一致する解釈。
◇特徴的な地勢と一致するが、発音があまり一致しない解釈。
◇他地域の同じ地勢と同一解釈が可能な解釈。
※特定の「川」「山」「低地」など、はっきりとどこを指したか分かるもの。

・解釈評価:★★
◇どこの地勢を指したかは不分明だが、無理なく縄文語(アイヌ語)解釈できるもの。

・解釈評価:★
◇縄文語解釈できないもの。不明なもの。

■■■ 兗州 泰山郡 ■■■

■(泰山郡)富陽県
・時代:前漢
・上古音:「富」p i̯ŭɡ/p ǐwə/p juə̆ɡ/p jwəɣ/p jəgh
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・場所:現在の山東省泰安市東平県
・地勢:大汶河が東平湖に注ぐ河口。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:富陽=「パン・ヤー」=「川下の・陸岸」

 大汶河が東平湖に注ぐ河口は「川下」、東平湖から離れると「川上」と呼ばれています。




■(東平郡)富城県
・時代:前漢
・上古音:「富」p i̯ŭɡ/p ǐwə/p juə̆ɡ/p jwəɣ/p jəgh
・上古音:「城」ȡ i̯ĕŋ/ʑ ǐeŋ/ʑ jeŋ/d jieŋ/d jing
・場所:現在の山東省泰安市肥城市
・地勢:東平湖東方、泰沂山脈のふもと。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:富城=「パン・チゥ」=「川下の・水流、水脈」

 東隣の「川上」の意の奉高県、東平陽県と対比関係です。極めて確度の高い縄文語解釈です。大汶河の東平湖寄りが「川下」と表現されています。




■(泰山郡)奉高県
・時代:前漢
・上古音:「奉」bʰ  i̯uŋ, pʰ i̯uŋ/b ǐwɔŋ/bʰ juŋ/b jewŋ/b jungx
・上古音:「高」k oɡ/k au/k ɔ̂ɡ/k aw/k agw
・場所:現在の山東省泰安市岱岳区
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:奉高=「ペン・コッ」=「川上の・窪地、谷、沢」

南隣の東平陽県との同義です。川下の富陽県、富城県と対の関係です。




■(泰山郡)東平陽県
・時代:前漢
・上古音:「東」t uŋ/t ɔŋ/t ûŋ/t ewŋ/t ung
・上古音:「平」bʰ i̯ĕŋ/b ǐeŋ/bʰ jĕŋ/b ieŋ/b jing
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・場所:現在の山東省泰安市新泰市
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:(東)平陽=「(タン・)ペン・ヤー」=「(こちらの・)川上の・岸」

大汶河支流の岸辺。地勢と完全一致しています。頭に「東」がついても意味が通じます。隣接する奉高県も同類の解釈が可能です。川下の富陽県、富城県と対の関係です。




■(泰山郡)博県
・時代:前漢
・上古音:「博」p ɑk/p uak/p uɑk/p wak/p ak
・場所:現在の山東省泰安市泰山区
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:博=「パケ」=「岬」

泰山の意としか考えられません。




■(泰山郡)山茌県
・時代:前漢
・上古音:「山」s ăn/ʃ ean/-/s rian/s rian
・上古音:「茬」- -/- -/ts əɡ/ts iəɣ/ts rjəg
・上古音:「茬」- -/- -/dzʰ əɡ/dz iəɣ/dz rjəg
・場所:現在の山東省済南市長清区
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:山茌=「サン・チャ」=「出崎の・ほとり」

縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。




■(泰山郡)柴県
・時代:前漢
・上古音:「柴」dzʰ ăr/dʒ e/dzʰ eɡ/dz re/dz rig
・場所:現在の山東省泰安市岱岳区
・解釈評価:★★

◎縄文語:柴=「チゥ」=「水流、水脈」




■(泰山郡)蓋県
・時代:前漢
・上古音:「蓋」k ɑb/k at/k ɑd, k  ɑb/k ar/k abh
・上古音:「蓋」ɡʰ ɑp/ɣ ap/- -/ɡ ap/- -
・場所:現在の山東省淄博市沂源県
・解釈評価:★★★

◎縄文語:蓋=「コッ」=「窪地、谷、沢」




■(泰山郡)梁父県
・時代:前漢
・上古音:「梁」l i̯aŋ/l ǐaŋ/l jaŋ/l iaŋ/l jang
・上古音:「父」p i̯wo/p ǐwa/- -/p jwaɣ/- -
・上古音:「父」bʰ i̯wo/b ǐwa/bʰ juaɡ/b jwaɣ/b jagx
・場所:現在の山東省泰安市岱岳区
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:梁父=「ラ・パ」=「低い・岬」

縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。




■(泰山郡)南武陽県
・時代:前漢
・上古音:「南」n əm/n əm/n ə̂m/n əm/n əm
・上古音:「武」m i̯wo/m ǐwa/m juaɡ/m jwaɣ/m jagx
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・場所:現在の山東省臨沂市平邑県
・解釈評価:★★★

◎縄文語:武陽=「メ・ヤー」=「泉の・陸岸」




■(泰山郡)萊蕪県
・時代:前漢
・上古音:「萊」l əɡ/l ə/l ə̂ɡ/l əɣ/l əgh
・上古音:「蕪」m i̯wo/m ǐwa/m juaɡ/m jwaɣ/m jag
・場所:現在の山東省淄博市淄川区
・解釈評価:★★★

◎縄文語:萊蕪=「ラン・メ」=「上から下に下る・古い川」




■(泰山郡)鉅平県
・時代:前漢
・上古音:「鉅」ɡʰ i̯o/- -/ɡʰ jaɡ/ɡ jaɣ/g jagx
・上古音:「平」bʰ i̯ĕŋ/b ǐeŋ/bʰ jĕŋ/b ieŋ/b jing
・場所:現在の山東省泰安市岱岳区
・解釈評価:★★
◎縄文語:鉅平=「コッ・ぺー」=「谷、沢の・水」




■(泰山郡)嬴県
・時代:前漢
・上古音:「嬴」d i̯ĕŋ/ʎ ǐeŋ/d jeŋ/r ieŋ/r ing
・場所:現在の山東省済南市萊蕪区
・解釈評価:★★

◎縄文語:嬴=「イェー」=「石」

⇒萊蕪区の山並み(google map)




■(泰山郡)牟県
・時代:前漢
・上古音:「牟」m/m ǐu/m jŏɡ/m jəw/m jəgw
・場所:現在の山東省済南市鋼城区
・解釈評価:★★★

◎縄文語:牟=「メ」=「泉or古い川」




■(泰山郡)蒙陰県
・時代:前漢
・上古音:「蒙」m uŋ/m ɔŋ/m ûŋ/m ewŋ/m ung
・上古音:「陰」ʔ i̯əm/0 ǐəm/ʔ jəm/ʔ iəm/· jəm
・場所:現在の山東省臨沂市蒙陰県
・解釈評価:★★★

◎縄文語:蒙陰=「メ・ヤー」=「泉or古い川の・陸岸」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。




■(泰山郡)費県
・時代:前漢
・上古音:「費」pʰ i̯wəd/pʰ ǐwəi/p juəd/- -/p jiədh
・上古音:「費」- -/b ǐwəi/bʰ juə̆d/b jwər/b jədh
・場所:現在の山東省臨沂市費県
・地勢:中華奇石城
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:費=「ピ」=「石ころ」

 中華奇石城は巨大な奇石取引市場。縄文語解釈は極めて確度が高いと言えます。
⇒中華奇石城(google画像検索)





■(泰山郡)寧陽県
※東平郡・東平国で既出



■(泰山郡)乗丘県
・時代:前漢
・上古音:「乘」- i̯əŋ/ȡ ǐəŋ/ȡʰ jəŋ/zd jiəŋ/d jəngh
・上古音:「丘」kʰ i̯ŭɡ/kʰ ǐwə/kʰ juə̆ɡ/kʰ jwəɣ/kh jəg
・場所:現在の山東省済寧市兗州区
・解釈評価:★★★

◎縄文語:乗丘=「チゥ・ケ」=「水流、水脈の・ところ」




■(泰山郡)桃山県
・時代:前漢
・上古音:「桃」dʰ oɡ/d au/dʰ ɔ̂ɡ/d aw/d agw
・上古音:「山」s ăn/ʃ ean/-/s rian/s rian
・場所:現在の山東省泰安市寧陽県
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:桃山=「タン・サ」=「こちらの・浜」

 寧陽県周辺は、「低地」の解釈が可能です。
 比定地を同じくする汶陽県、寧陽県の解釈とも辻褄が合います。

◎縄文語:汶陽=「メ・ヤー」=「泉の・陸岸」
◎縄文語:寧陽=「ニン・ヤー」=「水がしみこんだ・陸岸」




■(泰山郡)式県
・時代:前漢
・上古音:「式」ɕ i̯ək/ɕ ǐək/ɕ jək/stʰ jiək/sth jək
・場所:現在の山東省省済寧市汶上県
・解釈評価:★★

◎縄文語:式=「シ」=「山」

 大汶河南岸に山があります。




日没する国のエラーコラム
第百十七回 中国漢代の県名(上古音)が示す!東夷、南蛮の言語は縄文語(アイヌ語)だった!~兗州済北国~
 今回は兗州済北国。

【凡例】
・上古音: 高本漢系統/王力系統/董同龢系統/周法高系統/李方桂系統
 ※それぞれ「聲母」「半角スペース」「韻母」と配置
 ※該当する説が存在しないものには「-」を表記
〈参考〉漢字古今音資料庫(https://xiaoxue.iis.sinica.edu.tw/ccr/)

・解釈評価:★★★★★
◇周囲の地勢と対比可能な確度の高い解釈。
◇多くの近隣同一解釈。
※「パン=川下」⇔「ペン=川上」、「タン=こちらの」⇔「近隣の同地勢」、「集中する湖沼の解釈」「集中する低い山の解釈」など。確実性の低いものは★4つ。

・解釈評価:★★★★
◇縄文語と上古音の発音と特徴的な地勢が一致する解釈。
◇隣接する県と辻褄の合う特徴的な地勢。
※「岩崖」「滝」「湖沼」など。

・解釈評価:★★★
◇縄文語と上古音の発音と一般的な地勢が一致する解釈。
◇特徴的な地勢と一致するが、発音があまり一致しない解釈。
◇他地域の同じ地勢と同一解釈が可能な解釈。
※特定の「川」「山」「低地」など、はっきりとどこを指したか分かるもの。

・解釈評価:★★
◇どこの地勢を指したかは不分明だが、無理なく縄文語(アイヌ語)解釈できるもの。

・解釈評価:★
◇縄文語解釈できないもの。不明なもの。

■■■ 兗州 済北国 ■■■
■(済北国)盧県
・時代:前漢
・上古音:「盧」l o/l a/l ɑɡ/l aɣ/l ag
・場所:現在の山東省済南市長清区
・解釈評価:★★

◎縄文語:盧=「ラー」=「低いところ」

 泰沂山脈を横切る谷があります。




■(済北国)蛇丘県
・時代:前漢
・上古音:「蛇」d ia/ʎ ǐai/d ja/r ia/r ar
・上古音:「蛇」- -/- -/tʰ ɑ/tʰ a/th ar
・上古音:「蛇」ʰ ia/ȡ iai/- -/- -/d jar
・上古音:「丘」kʰ i̯ŭɡ/kʰ ǐwə/kʰ juə̆ɡ/kʰ jwəɣ/kh jəg
・場所:現在の山東省泰安市岱岳区
・解釈評価:★★★

◎縄文語:蛇丘=「タン・キ」=「こちらの・山」

 泰山がふさわしい。⇒泰山(wikipedia)





■(済北国)肥成県
・時代:前漢
・上古音:「肥」bʰ i̯wər/b ǐwəi/bʰ juə̆d/b jiwər/b jəd
・上古音:「成」ȡ i̯ĕŋ/ʑ ǐeŋ/ʑ jeŋ/d jieŋ/d jing
・場所:現在の山東省泰安市肥城市
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:肥成=「パン・チゥ」=「川下の・水脈、水流」

 東平湖に注ぐ大汶河沿いは「川上」「川下」をキーワードに解釈可能です。

◎縄文語:富陽=「パン・ヤー」=「川上の・陸岸」
◎縄文語:富城=「パン・チゥ」=「川上の・水流、水脈」
◎縄文語:奉高=「ペン・コッ」=「川上の・窪地、谷、沢」
◎縄文語:(東)平陽=「(タン・)ペン・ヤー」=「(こちらの・)川上の・岸」




■(済北国)茌平県
※(東郡)茌平県と同じ


■(済北国)剛県
・時代:前漢
・上古音:「剛」k ɑŋ/k aŋ/k ɑŋ/k aŋ/k ang
・場所:現在の山東省泰安市寧陽県
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:剛=「コッ」=「窪地」

 寧陽県周辺は、「低地」の解釈が可能です。下記比定地を同じくする県とも解釈の辻褄が合います。

◎縄文語:桃山=「タン・サ」=「こちらの・浜」
◎縄文語:汶陽=「メ・ヤー」=「泉の・陸岸」
◎縄文語:寧陽=「ニン・ヤー」=「水がしみこんだ・陸岸」




日没する国のエラーコラム
第百十八回 中国漢代の県名(上古音)が示す!東夷、南蛮の言語は縄文語(アイヌ語)だった!~兗州山陽郡~
 今回は兗州山陽郡。

【凡例】
・上古音: 高本漢系統/王力系統/董同龢系統/周法高系統/李方桂系統
 ※それぞれ「聲母」「半角スペース」「韻母」と配置
 ※該当する説が存在しないものには「-」を表記
〈参考〉漢字古今音資料庫(https://xiaoxue.iis.sinica.edu.tw/ccr/)

・解釈評価:★★★★★
◇周囲の地勢と対比可能な確度の高い解釈。
◇多くの近隣同一解釈。
※「パン=川下」⇔「ペン=川上」、「タン=こちらの」⇔「近隣の同地勢」、「集中する湖沼の解釈」「集中する低い山の解釈」など。確実性の低いものは★4つ。

・解釈評価:★★★★
◇縄文語と上古音の発音と特徴的な地勢が一致する解釈。
◇隣接する県と辻褄の合う特徴的な地勢。
※「岩崖」「滝」「湖沼」など。

・解釈評価:★★★
◇縄文語と上古音の発音と一般的な地勢が一致する解釈。
◇特徴的な地勢と一致するが、発音があまり一致しない解釈。
◇他地域の同じ地勢と同一解釈が可能な解釈。
※特定の「川」「山」「低地」など、はっきりとどこを指したか分かるもの。

・解釈評価:★★
◇どこの地勢を指したかは不分明だが、無理なく縄文語(アイヌ語)解釈できるもの。

・解釈評価:★
◇縄文語解釈できないもの。不明なもの。

■■■ 兗州 山陽郡 ■■■

■(山陽郡)昌邑県
・時代:前漢
・上古音:「昌」ȶʰ i̯aŋ/ȶʰ ǐaŋ/ȶʰ jaŋ/tʰ jaŋ/th jang
・上古音:「邑」ʔ i̯əp/0 ǐəp/ʔ jəp/ʔ iəp/· jəp
・場所:現在の山東省菏沢市巨野県
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:昌邑=「タン・ヤー」=「こちらの・陸岸」

 菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりにも雷夏澤がありました。巨野県は南岸。




■(山陽郡)南平陽県
・時代:前漢
・上古音:「南」n əm/n əm/n ə̂m/n əm/n əm
・上古音:「平」bʰ i̯ĕŋ/b ǐeŋ/bʰ jĕŋ/b ieŋ/b jing
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・場所:現在の山東省済寧市鄒城市
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:平陽=「ペン・ヤー」=「川上の・岸」

 微山湖周辺は、微山湖に近い場所が「川下」、遠ざかると「川上」と表現されています。
南平陽県の場合は、南に接して蕃県があり、対の関係になっています。また、微山湖の蕃県より南方の傅県、彭城県も「川下」と表現されています。微山湖周辺は、微山湖に近い場所が「川下」、遠ざかると「川上」と表現されています。

◎縄文語:蕃=「パン」=「川下」
◎縄文語:彭城=「パン・チゥ」=「川下の・水脈、水流」
◎縄文語:傅=「パン」=「川下」





■(山陽郡)湖陵県
・時代:前漢
・上古音:「湖」ɡʰ o/ɣ a/ɣ ɑɡ/ɡ aɣ/g ag
・上古音:「陵」l i̯əŋ/l ǐəŋ/l jəŋ/l iəŋ/l jəng
・場所:現在の山東省済寧市微山県
・地勢:微山湖(南四湖)の湖畔
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:湖陵=「コッ・ラー」=「窪地、谷、沢の・低いところ」




■(山陽郡)方与県
・時代:前漢
・上古音:「方」- -/- -/bʰ juaŋ/b jwaŋ/b jang
・上古音:「方」p i̯waŋ/p ǐwaŋ/p juaŋ/p jwaŋ/p jang
・上古音:「与」- -/ʎ ǐa/d jaɡ/r iaɣ/r agx
・場所:現在の山東省済寧市魚台県
・地勢:微山湖(南四湖)の西岸
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:方与=「パン・ヤー」=「川下の・岸」

 微山湖周辺は、微山湖に近い場所が「川下」、遠ざかると「川上」と表現されています。。




■(山陽郡)東緡県
・時代:前漢
・上古音:「東」t uŋ/t ɔŋ/t ûŋ/t ewŋ/t ung
・上古音:「緡」m i̯ən/m ǐen/m juən/m iwən/m jiən
・場所:現在の山東省済寧市金郷県
・地勢:微山湖(南四湖)の西方
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:東緡=「タン・メ」=「こちらの・泉」

微山湖、古代湖の大野澤の対比表現。菏澤がありました。




■(山陽郡)爰戚県
・時代:前漢
・上古音:「爰」ɡ i̯wăn/ɣ ǐwan/ɣ juăn/ɣ jwan/gw jan
・上古音:「戚」tsʰ -/tsʰ iuk/tsʰ iok/tsʰ eəwk/sth iəkw
・場所:現在の山東省済寧市嘉祥県
・地勢:微山湖北西の山裾。
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:爰戚=「コッ・テュ」=「窪地の・小山」




■(山陽郡)瑕丘県
・時代:前漢
・上古音:「瑕」ɡʰ ɔ/ɣ ea/ɣ ăɡ/ɡ raɣ/g rag
・上古音:「丘」kʰ i̯ŭɡ/kʰ ǐwə/kʰ juə̆ɡ/kʰ jwəɣ/kh jəg
・場所:現在の山東省済寧市兗州区
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:瑕丘=「コッ・ケ」=「窪地の・ところ」




■(山陽郡)鉅野県
・時代:前漢
・上古音:「鉅」ɡʰ i̯o/- -/ɡʰ jaɡ/ɡ jaɣ/g jagx
・上古音:「野」d i̯ɔ/ʎ ia/d jăɡ/r aɣ/r iagx
・場所:現在の山東省菏沢市巨野県
・地勢:微山湖西方の山裾の岸辺
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:鉅野=「コッ・ヤー」=「窪地の・岸」

 菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりにも雷夏澤がありました。巨野県は南岸。




■(山陽郡)単父県
・時代:前漢
・上古音:「単」t ɑn/t an/t ɑn/t an/t an
・上古音:「単」- -/ʑ ǐan/ʑ jæn/d jian/d janh
・上古音:「父」p i̯wo/p ǐwa/- -/p jwaɣ/- -
・上古音:「父」bʰ i̯wo/b ǐwa/bʰ juaɡ/b jwaɣ/b jagx
・場所:現在の山東省菏沢市単県
・地勢:微山湖西方
・解釈評価:★★★

◎縄文語:単父=「タン・ペー」=「こちらの・水」




■(山陽郡)成武県
・時代:前漢
・上古音:「成」ȡ i̯ĕŋ/ʑ ǐeŋ/ʑ jeŋ/d jieŋ/d jing
・上古音:「武」m i̯wo/m ǐwa/m juaɡ/m jwaɣ/m jagx
・場所:現在の山東省菏沢市成武県
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:成武=「チゥ・メ」=「水流、水脈の・泉」

 菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりに雷夏澤、成武県あたりには菏澤がありました。




■(山陽郡)都関県
・時代:前漢
・上古音:「都」t o/t a/t ɑɡ/t aɣ/t ag
・上古音:「」k wan/k oan/k uan/k rwan/kw ran
・場所:現在の山東省菏沢市鄄城県
・地勢:黄河南岸
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:都関=「トー・カ」=「湖沼の・ほとり」

 菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりに雷夏澤、成武県あたりには菏澤がありました。




■(山陽郡)薄県
・時代:前漢
・上古音:「薄」bʰ ɑk/b uak/bʰ uɑk/b wak/b ak
・場所:現在の河南省商丘市梁園区
・地勢:微山湖西方の平原
・解釈評価:★★

◎縄文語:薄=「パンケ」=「川下」

 商丘市一帯は水辺の解釈で一致しています。。




日没する国のエラーコラム
第百十九回 中国漢代の県名(上古音)が示す!東夷、南蛮の言語は縄文語(アイヌ語)だった!~兗州済陰郡~
 今回は兗州済陰郡。

【凡例】
・上古音: 高本漢系統/王力系統/董同龢系統/周法高系統/李方桂系統
 ※それぞれ「聲母」「半角スペース」「韻母」と配置
 ※該当する説が存在しないものには「-」を表記
〈参考〉漢字古今音資料庫(https://xiaoxue.iis.sinica.edu.tw/ccr/)

・解釈評価:★★★★★
◇周囲の地勢と対比可能な確度の高い解釈。
◇多くの近隣同一解釈。
※「パン=川下」⇔「ペン=川上」、「タン=こちらの」⇔「近隣の同地勢」、「集中する湖沼の解釈」「集中する低い山の解釈」など。確実性の低いものは★4つ。

・解釈評価:★★★★
◇縄文語と上古音の発音と特徴的な地勢が一致する解釈。
◇隣接する県と辻褄の合う特徴的な地勢。
※「岩崖」「滝」「湖沼」など。

・解釈評価:★★★
◇縄文語と上古音の発音と一般的な地勢が一致する解釈。
◇特徴的な地勢と一致するが、発音があまり一致しない解釈。
◇他地域の同じ地勢と同一解釈が可能な解釈。
※特定の「川」「山」「低地」など、はっきりとどこを指したか分かるもの。

・解釈評価:★★
◇どこの地勢を指したかは不分明だが、無理なく縄文語(アイヌ語)解釈できるもの。

・解釈評価:★
◇縄文語解釈できないもの。不明なもの。

■■■ 兗州 済陰郡 ■■■

■(済陰郡)定陶県
・時代:前漢
・上古音:「定」dʰ ieŋ/d ieŋ/dʰ ieŋ/d eŋ/d ingh
・上古音:「定」t ieŋ/- -/- -/t eŋ/- -
・上古音:「陶」d -/ʎ ǐu/- -/- -/r iaw
・上古音:「陶」dʰ -/d u/dʰ ôɡ/d əw/d əgw
・場所:現在の山東省菏沢市定陶区
・地勢:微山湖西方の平原。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:定陶=「タン・トー」=「こちらの・湖沼」

 雷夏澤の南岸。極めて確度の高い縄文語解釈です。この一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。成武県あたりには菏澤がありました。




■(済陰郡)冤句県
・時代:前漢
・上古音:「冤」ʔ i̯wăn/0 ǐwan/ʔ juăn/ʔ jwan/·w jan
・上古音:「句」k u/k ɔ/k ûɡ/k ew/k ugh
・場所:現在の山東省菏沢市牡丹区
・地勢:微山湖西方の平原。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:冤句=「アゥ・コッ」=「枝分かれた・窪地、谷、沢」

菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりに雷夏澤、成武県あたりには菏澤がありました。




■(済陰郡)呂都県
・時代:前漢
・上古音:「呂」ɡl i̯o/l ǐa/l jaɡ/l iaɣ/gl jagx
・上古音:「都」t o/t a/t ɑɡ/t aɣ/t ag
・場所:現在の山東省菏沢市牡丹区
・地勢:微山湖西方の平原。
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:呂都=「ラ・トー」=「低い・湖」

菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりに雷夏澤、成武県あたりには菏澤がありました。




■(済陰郡)葭密県
・時代:前漢
・上古音:「葭」k ɔ/k ea/k ăɡ/k raɣ/k rag
・上古音:「密」m i̯ĕt/m ǐet/m juət/m iet, m iwət/m jit
・場所:現在の山東省菏沢市牡丹区
・地勢:微山湖西方の平原。
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:葭密=「コッ・マーテュ」=「窪地の・波打ち際」

菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりに雷夏澤、成武県あたりには菏澤がありました。




■(済陰郡)成陽県
・時代:前漢
・上古音:「成」ȡ i̯ĕŋ/ʑ ǐeŋ/ʑ jeŋ/d jieŋ/d jing
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・場所:現在の山東省菏沢市牡丹区
・地勢:微山湖西方の平原。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:成陽=「チゥ・ヤー」=「水流、水脈の・陸岸」

菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりに雷夏澤、成武県あたりには菏澤がありました。




■(済陰郡)鄄城県
・時代:前漢
・上古音:「鄄」- -/- -/k jæn/k jian/kw jianh
・上古音:「城」ȡ i̯ĕŋ/ʑ ǐeŋ/ʑ jeŋ/d jieŋ/d jing
・場所:現在の山東省菏沢市鄄城県
・地勢:微山湖西方の平原。
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:鄄城=「カンチゥ」=「雨が降って最初に出る出水」

菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりに雷夏澤、成武県あたりには菏澤がありました。




■(済陰郡)句陽県
・時代:前漢
・上古音:「句」k u/k ɔ/k ûɡ/k ew/k ugh
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・場所:現在の山東省菏沢市牡丹区
・地勢:微山湖西方の平原。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:句陽=「コッ・ヤー」=「窪地、谷、沢の・陸岸」

菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりに雷夏澤、成武県あたりには菏澤がありました。




■(済陰郡)秺県
・時代:前漢
・上古音:「秅」dʰ ăɡ/- -/dʰ ăɡ/d raɣ/d rag
・上古音:「秅」t ɑɡ/- -/- -/t aɣ/- -
・場所:現在の山東省菏沢市成武県
・地勢:微山湖西方の平原。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:秺=「トー」=「湖沼」

菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりに雷夏澤、成武県あたりには菏澤がありました。





■(済陰郡)乗氏県
・時代:前漢
・上古音:「乘」- i̯əŋ/ȡ ǐəŋ/ȡʰ jəŋ/zd jiəŋ/d jəngh
・上古音:「氏」ȡ i̯ĕɡ/ȶ ǐe/j jeɡ/d jieɣ/g rjigx
・場所:現在の山東省菏沢市巨野県
・地勢:微山湖西方の平原。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:乗氏=「タン・チゥ」=「こちらの・水脈、水流」

 菏沢市東北部一帯は古代湖の大野澤関連の解釈が可能です。また、臨濮沙河あたりに雷夏澤、成武県あたりには菏澤がありました。巨野県は大野澤南岸。




日没する国のエラーコラム
第百二十回 中国漢代の県名(上古音)が示す!東夷、南蛮の言語は縄文語(アイヌ語)だった!~冀州魏郡~
 今回は冀州魏郡。

【凡例】
・上古音: 高本漢系統/王力系統/董同龢系統/周法高系統/李方桂系統
 ※それぞれ「聲母」「半角スペース」「韻母」と配置
 ※該当する説が存在しないものには「-」を表記
〈参考〉漢字古今音資料庫(https://xiaoxue.iis.sinica.edu.tw/ccr/)

・解釈評価:★★★★★
◇周囲の地勢と対比可能な確度の高い解釈。
◇多くの近隣同一解釈。
※「パン=川下」⇔「ペン=川上」、「タン=こちらの」⇔「近隣の同地勢」、「集中する湖沼の解釈」「集中する低い山の解釈」など。確実性の低いものは★4つ。

・解釈評価:★★★★
◇縄文語と上古音の発音と特徴的な地勢が一致する解釈。
◇隣接する県と辻褄の合う特徴的な地勢。
※「岩崖」「滝」「湖沼」など。

・解釈評価:★★★
◇縄文語と上古音の発音と一般的な地勢が一致する解釈。
◇特徴的な地勢と一致するが、発音があまり一致しない解釈。
◇他地域の同じ地勢と同一解釈が可能な解釈。
※特定の「川」「山」「低地」など、はっきりとどこを指したか分かるもの。

・解釈評価:★★
◇どこの地勢を指したかは不分明だが、無理なく縄文語(アイヌ語)解釈できるもの。

・解釈評価:★
◇縄文語解釈できないもの。不明なもの。

■■■ 冀州 魏郡 ■■■
■(魏郡)鄴県
・時代:前漢
・上古音:「鄴」- -/ŋ ǐap/ŋ jăp/ŋ jap/ng jap
・場所:現在の河南省安陽市安陽県
・地勢:太行山脈の山裾。
・解釈評価:★★

◎縄文語:鄴=「キ」=「山」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。




■(魏郡)館陶県
・時代:前漢
・上古音:「館」k wɑn/k uan/k uɑn/k wan/kw anh
・上古音:「陶」d -/ʎ ǐu/- -/- -/r iaw
・上古音:「陶」dʰ -/d u/dʰ ôɡ/d əw/d əgw
・場所:現在の河北省邯鄲市館陶県
・地勢:太行山脈東方、華北平野の平原。
・解釈評価:★

◎縄文語:館陶=不明




■(魏郡)斥丘県
・時代:前漢
・上古音:「斥」ȶʰ i̯ăk/ȶʰ iak/ȶʰ jăɡ/tʰ jiak/th jiagh
・上古音:「丘」kʰ i̯ŭɡ/kʰ ǐwə/kʰ juə̆ɡ/kʰ jwəɣ/kh jəg
・場所:現在の河北省邯鄲市成安県
・地勢:太行山脈東方、華北平原。
・解釈評価:★

◎縄文語:斥丘=不明




■(魏郡)沙県
・時代:前漢
・上古音:「沙」s a/ʃ eai/s a/s ra/s rar
・場所:現在の河北省邯鄲市渉県
・地勢:太行山脈の山塊、谷。
・解釈評価:★★

◎縄文語:沙=「シ」=「山」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。




■(魏郡)内黄県
・時代:前漢
・上古音:「内」n wəd/n uəi/n uə̂b, n uə̂d/n wər/n əbh
・上古音:「黄」ɡʰ wɑŋ/ɣ uaŋ/ɣ uɑŋ/ɡ waŋ/gw ang
・場所:現在の河南省安陽市内黄県
・地勢:華北平原。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:内黄=「ナィ・カ」=「川の・岸辺、ほとり」




■(魏郡)清淵県
・時代:前漢
・上古音:「清」tsʰ i̯ĕŋ/tsʰ ǐeŋ/tsʰ jeŋ/tsʰ jieŋ/tsh jing
・上古音:「淵」ʔ iwen/0 iwen/ʔ iuen/ʔ wen/·w in
・場所:現在の山東省聊城市冠県北東部
・地勢:華北平原。
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:清淵=「チゥ・ワ」=「水流、水脈の・岸」

 聊城市は当時の黄河沿岸。黄河とその支流の川関連の解釈で一致しています。




■(魏郡)魏県
・時代:前漢
・上古音:「魏」ŋ wər/ŋ ǐwəi/- -/ŋ jwər/- -
・場所:現在の河北省邯鄲市魏県
・地勢:華北平原。
・解釈評価:★

◎縄文語:魏=不明




■(魏郡)繁陽県
・時代:前漢
・上古音:「繁」bʰ wɑn/b ǐwan/ bʰ juăn/b wan/b jan
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・場所:現在の河南省安陽市内黄県
・地勢:華北平原。
・解釈評価:★★★★★

◎縄文語:繁陽=「パン・ヤー」=「川下の・陸岸」

 東隣の濮陽市も同じ意味です。

◎縄文語:濮陽=「パンケ・ヤー」=「川下の・陸岸」
・上古音:「濮」- -/p ɔk/p ûk/p ewk/p uk
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang




■(魏郡)元城県
・時代:前漢
・上古音:「元」ŋ i̯wăn/ŋ ǐwan/ŋ juăn/ŋ jwan/ngw jan
・上古音:「城」ȡ i̯ĕŋ/ʑ ǐeŋ/ʑ jeŋ/d jieŋ/d jing
・場所:現在の河北省邯鄲市大名県北東部
・地勢:華北平原。
・解釈評価:★

◎縄文語:元城=不明




■(魏郡)梁期県
・時代:前漢
・上古音:「梁」l i̯aŋ/l ǐaŋ/l jaŋ/l iaŋ/l jang
・上古音:「期」ɡʰ i̯əɡ/g ǐə/ɡʰ jəɡ/ɡ iəɣ/g jəg
・場所:現在の河北省邯鄲市磁県北東部
・地勢:太行山脈の山裾。湖沼。
・解釈評価:★★★

◎縄文語:梁期=「ラ・キ」=「低い・山」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。




■(魏郡)黎陽県
・時代:前漢
・上古音:「黎」l iər/l iei/l ied/l er/l id
・上古音:「陽」d i̯aŋ/ʎ ǐaŋ/d jaŋ/r iaŋ/r ang
・場所:現在の河南省鶴壁市浚県
・地勢:太行山脈の山裾。湖沼。黄河故道北岸。
・解釈評価:★★★★

◎縄文語:黎陽=「リー・ヤー」=「高い・陸岸」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。
 「平野部に突出する大伾山と浮丘山が城壁内部にあり市街地を挟んでいる。「十里城池半入山」と呼ばれ、丘と街並みが織りなす風景は豫北地方の景勝の一つとされる。」(wikipedia)




■(魏郡)即裴県
・時代:前漢
・上古音:「即」ts i̯ək/ts ǐet/ts jet/- -/ts jit
・上古音:「裴」- -/b uəi/bʰ uə̂d/b wər/b əd
・場所:現在の河北省邯鄲市肥郷区
・地勢:華北平原。
・解釈評価:★

◎縄文語:即裴=不明




■(魏郡)武始県
・時代:前漢
・上古音:「武」m i̯wo/m ǐwa/m juaɡ/m jwaɣ/m jagx
・上古音:「始」ɕ i̯əɡ/ɕ ǐə/ɕ jəɡ/stʰ jiəɣ/sth jəgx
・場所:現在の河北省邯鄲市南西部
・地勢:太行山脈の山裾。湖沼。黄河故道北岸。
・解釈評価:★★★

◎縄文語:武始=「メ・チャ」=「泉の・岸」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。




■(魏郡)邯会県
・時代:前漢
・上古音:「邯」- -/ɣ am/- -/- -/- -
・上古音:「會」ɡʰ wɑd/ɣ uat/ɣ uɑd/ɡ war/gw adh
・上古音:「會」k wɑd/k uat/k uɑd/k war/kw adh
・場所:現在の河北省邯鄲市肥郷区
・地勢:華北平原。
・解釈評価:★

◎縄文語:邯会=不明




■(魏郡)陰安県
・時代:前漢
・上古音:「陰」ʔ i̯əm/0 ǐəm/ʔ jəm/ʔ iəm/· jəm
・上古音:「安」ʔ ɑn/0 an/ʔ ɑn/ʔ an/· an
・場所:現在の河南省濮陽市清豊県
・地勢:華北平原。
・解釈評価:★★★

◎縄文語:陰安=「ヤー・アゥ」=「陸岸の・枝分かれ」=枝分かれた陸岸

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。




■(魏郡)平恩県
・時代:前漢
・上古音:「平」bʰ i̯ĕŋ/b ǐeŋ/bʰ jĕŋ/b ieŋ/b jing
・上古音:「恩」ʔ ən/0 en/ʔ ə̂n/ʔ ən/· ən
・場所:現在の河北省邯鄲市邱県
・地勢:華北平原。
・解釈評価:★★★

◎縄文語:平恩=「ペー・アゥ」=「水の・枝分かれ」




■(魏郡)邯溝県
・時代:前漢
・上古音:「邯」- -/ɣ am/- -/- -/- -
・上古音:「溝」k u/k ɔ/k ûɡ/k ew/k ug
・場所:現在の河北省邯鄲市肥郷区
・地勢:華北平原。
・解釈評価:★

◎縄文語:邯溝=不明




■(魏郡)武安県
・時代:前漢
・上古音:「武」m i̯wo/m ǐwa/m juaɡ/m jwaɣ/m jagx
・上古音:「安」ʔ ɑn/0 an/ʔ ɑn/ʔ an/· an
・場所:現在の河北省邯鄲市武安市
・地勢:太行山脈の山裾。枝分かれた川口(川の合流点)。
・解釈評価:★★

◎縄文語:武安=「ムィ・アゥ」=「入り江の・枝分かれ」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。アイヌ語の「入り江」は内陸の同地形も指します。




■(魏郡)曲梁県
・時代:後漢
・上古音:「曲」kʰ i̯uk/kʰ ǐwɔk/kʰ juk/kʰ jewk/kh juk
・上古音:「梁」l i̯aŋ/l ǐaŋ/l jaŋ/l iaŋ/l jang
・場所:現在の河北省邯鄲市永年区
・地勢:太行山脈の山裾。小さな独立した峰のふもと。
・解釈評価:★★

◎縄文語:曲梁=「コケ・ラー」=「曲がっている・低いところ」

 縄文語解釈と地勢が完全に一致しています。




◎参考文献: 『地名アイヌ語小辞典』(知里真志保著、北海道出版企画センター)※参考文献を基に、筆者自身の独自解釈を加えています。/『日本書紀 全現代語訳』(宇治谷孟 講談社学術文庫)/『古事記 全訳注』(次田真幸 講談社学術文庫)/『風土記』(中村啓信 監修訳注 角川ソフィア文庫)/『古語拾遺』(西宮一民校注 岩波文庫)/『日本の古代遺跡』(保育社)/wikipedia/地方自治体公式サイト/ほか

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